◇お釈迦様の誕生祝う「お花祭り」
豊前市岩屋地区にある県指定史跡「岩洞窟（がんどうくつ）」で８日午後１時から、お釈迦様の誕生を祝う「お花祭り」が開かれる。これに合わせ、約４０年ぶりに一部修復された洞窟内の薬師堂がお披露目される。
岩洞窟は間口二十数メートル、奥行き約７メートル、高さ４メートル程度で、窟内には平安時代後期（１２世紀）に作られたと考えられている木造の像を安置した薬師堂がある。周囲には宝塔や１１体の石仏が置かれ、岩天井には「飛天」といわれる舞姿の色つき壁画が残る。
岩屋地区の友松和清区長（６４）によると、薬師堂は昭和４０年代以降、修復された跡がなく、床や土台の杭（くい）などがシロアリに食われるなど傷みが激しかった。今年３月末の地区集会で、岩屋洞窟保存会（松本晴雄会長）から修復の話が出て、市教委と相談。１週間後、県から「現状をいじらない程度の修復なら」と許可が出て、１０日ほどで床や土台の杭の入れ替えなどをした。修復予算はこれまで蓄えてきたお花祭りでの浄財やおさい銭をあてた。
８日のお花祭りには釜井健介市長らも出席する。僧侶による読経などのあと、甘茶の接待、お菓子や餅まきなどがある。松本保存会長や友松区長は「傷みも激しく心配されたが、これでしばらくは大丈夫でしょう」と喜んでいる。【陣内毅】
〔京築版〕
５月８日朝刊
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